「関西人は」とか「東京の人は」とか、その地域に住む人を一括りにしていう言い方はあんまり好きではありませんが、まあ、私の周りにいる人を見ていると、話に「オチ」を求める人が多いように思います。
Aさん 「このあいださ、こんなことあってん!」
Bさん 「それで?」
Aさん 「いや、珍しいなと思って(;´∀`)」
Bさん 「で?」
オチがないと、延々、「オチ」を求められます。「オチ」がついていないと、話がいまいち盛り上がりませんし、興味も持ってもらえません。
あるいは、人前で話すときには「つかみ」が肝心だと考えます。最初の「つかみ」でどっと笑いがおきたら「よっしゃー!」と思います。まさに、聴衆の心を掴んだ瞬間で、これが成功すると、あとの話が流暢になりますし、場も和みますし、聞いているほうも話者への親近感が増します。
こういう話の仕方は、日本語に長けた関西住みのろう者の場合も同様だと感じます。(もちろん、そうでない人もいますよ)
なので、何かの講演会等でろう者が手話の分からない人を対象に話をするときに、そこに笑いの要素を入れようとしていることがわかったら、それを読み取り通訳に反映させる必要があります。
「オチ」で笑いを起こさせるには、タイミングが肝要です。1秒早くても、1秒遅れてもダメなのです。タイミングがずれると「滑る」のです。
ろう者は、自分のテンポで、”どっと笑いが起こる”タイミングを図っています。読み取り通訳というのは、手話を見てから発声するので、どうして遅れが生じます。しかし、遅れたらだめなのです。さらに、聴衆の態度や空気を「読んで」、「今!」というタイミングも図る必要があります。笑いを起こさせる最終的な手綱を握っているのは手話通訳者ということになるわけです。これを一歩でもミスって「滑る」と、ろう者としては「失敗した」「おかしいなぁ・・」ということになってしまいます。滑ることのダメージは結構大きく、あとのパフォーマンスに影響してきます。本当です。
関西の手話通訳者には、
・笑いのポイントが掴める
・笑いのタイミングが分かる
・笑いのネタが分かる
能力が求められるということです。
「笑わせるポイントがきた!」と気づいたら、ろう者がどういうオチにもっていこうとしているかをいち早く察知し、「前のめり」気味に発言を先取りする勢いで、通訳をする。その間ネタを想像しておきます。最後の「オチ」が予想通りだと「してやったり!」、絶妙のタイミングと話し方(声色、リズム)でオチを通訳できどっと笑いがおきると、ろう者ともども「ガッツポーズ」です。
・・なんと高度な通訳・・(;´∀`)。でもやっぱり通訳者も関西人なので(笑)、ろう者の話で、手話を知らない人たちの笑いが起こせると、もう凄く嬉しいですし、妙な達成感があります。
他の地域ではこういう「話芸」はあるのでしょうか。そのための手話通訳のコツとか、あるんでしょうか。良かったら教えてください♪
コメントをお書きください